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全国ドコデモこども食堂 全体会議が行われました
2026年2月25日・26日に、全国ドコデモこども食堂の支援団体を集めた全体会議が開催されました。本記事では、会議で発表された活動実績データ、利用者アンケートの結果、支援現場の声、そしてこの活動から生まれている効果をまとめてお届けします。
2023年2月、2団体・43食からスタートした全国ドコデモこども食堂は、3年間で以下の規模に拡大しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 累計食事提供数 | 12,100食超 |
| 連携支援団体数 | 92団体 |
| 連携飲食店舗数 | 176店舗 |
| 累計チケット配布額 | 3,846万円超 |
| 2026年1月単月チケット配布額 | 182万円 |
100名以上の保護者から回答を得たアンケートの主な結果は以下の通りです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 肯定的な評価の割合 | 94.5% |
| 「満足以上」と回答した割合 | 約83% |
「子どもが、はじめて遠慮しなかった日」 普段は家計を気にして大盛りを頼まない子どもが、チケットを手にメニューを見て遠慮なく好きなものを選んだ、という報告が多数寄せられた。
「誕生日に、はじめてケーキが並んだ食卓」 「子どもに誕生日ケーキを買ってあげられなかったけれど、このチケットで初めて買うことができました。」という声があった。
「支援を受ける側ではなく、『お客さん』として扱われた」 「支援を受けるのだと思うと複雑な気持ちでした。でも実際に行ってみると、一般のお客さんとして丁寧に対応いただき、涙が出そうでした。また回復したら、今度は支援する側になりたいと思いました。」という声が寄せられた。
「毎月の外食が、家族の楽しみになった」 「月に一度の外食が、子どもたちと私の一番の楽しみになっています。その日を楽しみに、学校も仕事も頑張れます。」
「店主が、第二の祖父母になった」 何度も足を運ぶうちに、70代の店主が利用者の子どもたちの顔を覚え、声をかけてくれるようになった。祖父母と縁が薄い家庭の子どもにとって、その店主は「父親のような、祖父のような」存在になっていったという報告があった。
全体会議で各地の支援団体の代表から共有された取り組みと考え方をまとめます。
・飲食店の新規開拓基準 価格やメニューではなく、活動の意味を理解し、地域行事にも顔を出すような店主に声をかけている。「誰とやるか」を重視する姿勢が、利用者と店主の間に親密な関係を生み出している。
・「一緒にやる」関係の構築(神奈川県の事例) 70代夫婦が営む定食屋で、スマートフォンの決済操作に不慣れな女将さんが利用者に「教えて」と依頼するようになった。それが習慣化し、女将さんは利用者家族にとって身近な存在になった。支援する側・される側という関係ではなく、互いに助け合う関係が生まれている。
・チケットの使い方を個別に提案 利用者の子どもの誕生日を事前に把握し、「今月はケーキ屋さんに使ってみては?」と個別に声をかける取り組みが紹介された。チケットを渡すだけでなく、使い方まで一緒に考えることで「気にかけてもらえている」という実感につなげている。
・支援対象の拡大方法 既存の利用者に「同じような状況の知人がいれば教えてほしい」と依頼し、利用者同士の紹介で支援対象を広げている。「本当に困っている家庭ほど、自分から声を上げられない。でも同じ立場の人からの紹介なら、受け取りやすい」という考えに基づく取り組み。
・「本当に届けるべき家庭に届いているか」の自問 累計200万円を超える支援を行ったある団体の代表は、「金額が増えるほど、本当に必要な家庭に届いているかを自問するようになった。1対1の信頼関係を積み重ねることが、すべての前提です」と語った。
・「恩送り」という理念 「自分が誰かに助けてもらったから、今度は次の誰かへ送る。恩返しではなく、恩送り。」――受け取った側がいつか届ける側になる循環を目指している。
今回の全体会議で報告されたデータ・アンケート・現場の声から、ドコデモこども食堂の活動は以下の効果を生み出しています。
① 子どもの食の選択肢と自己肯定感を広げている チケットを通じて、子どもたちが家計を気にせず自分で好きなメニューを選べる機会が生まれています。「遠慮しなくていい」という体験が、子どもにとって「自分のために選んでいい」という肯定感につながっています。
② 学校給食の空白期間を補っている 長期休暇中に昼食時間帯の利用が急増するデータが示す通り、学校給食がなくなる夏休み・春休みの期間に、チケットが子どもたちの食事を支える役割を果たしています。
③ 利用者の尊厳を守る支援の形を実現している チケットの仕組みにより、利用者は「支援の対象」ではなく「お店のお客さん」として飲食店に迎えられています。このことが、支援を受けることへの心理的なハードルを下げ、「また回復したら支援する側になりたい」という前向きな気持ちを生んでいます。
④ 地域の中に「もう一人の大切な大人」を生み出している 飲食店への継続的な来店を通じて、店主と利用者家族の間に「第二の祖父母」「第二のお母さん」と呼ばれるような関係が生まれています。孤立しがちな家庭と地域の大人をつなぐ接点として機能しています。
⑤ 支援する側・される側の境界を越えた関係を築いている スマートフォン操作を利用者が店主に教えるなど、一方的な支援ではなく互いに助け合う関係が各地で生まれています。また、利用者自身が次の支援対象家庭を紹介する「信頼のバトン」の仕組みにより、支援を受けた人が届ける側にも回る循環が生まれています。
⑥ 家族の時間と生活の活力を生んでいる 月に一度の外食が家族にとっての楽しみとなり、「その日を楽しみに学校も仕事も頑張れる」という声が寄せられています。食事の提供にとどまらず、家族が一緒に過ごす時間と日常の活力を生み出しています。
2団体・43食から始まった全国ドコデモこども食堂は、3年間で92団体・176店舗・累計12,100食超の規模に拡大しました。利用者アンケートでは94.5%が肯定的な評価を示し、保護者からは「子どもがはじめて遠慮せずに好きなものを選べた」「一般のお客さんとして扱われた」といった声が寄せられています。
データからは、土曜日の利用が最も多く、学校給食がなくなる長期休暇中には昼食時間帯の利用が急増するという傾向が確認されました。チケットが、日常の食事だけでなく、給食の空白期間を支える役割も果たしていることが読み取れます。
支援現場では、「誰とやるか」を重視した飲食店との連携、利用者一人ひとりに寄り添った個別の提案、そして「本当に届けるべき家庭に届いているか」を常に問い続ける姿勢が共有されました。支援する側・される側という関係ではなく、店主が「第二の祖父母」になったり、利用者同士の紹介で支援が広がったりと、人と人との信頼関係を土台にした活動が各地で続いています。
全体会議で語られた「恩送り」という言葉の通り、受け取った側がいつか届ける側になる――その循環の中に、全国ドコデモこども食堂は存在しています。
全国ドコデモこども食堂の活動は、皆さまからのご寄付によって支えられています。
チケット1枚が、子どもが遠慮せずに好きなものを選べる瞬間をつくり、
はじめての誕生日ケーキを届け、地域の飲食店との新しいつながりを生み出しています。
学校給食のない長期休暇中には、子どもたちの昼食を支える存在にもなっています。
この活動を継続し、届けられる家庭をさらに広げていくために、皆さまのご支援が必要です。
